2013年6月4日火曜日

南欧自転車ぶらり旅 第十五日

 フィレンツェのホテルで目覚める。大体寝るのが早いから、朝、目が覚めるのも早くなる。今日は4時前にぱっちり目が覚めた。夕べ眠りについたのが10時ぐらいだったから、6時間の睡眠である。
 もう天気のことは気にかけないようにしている。降るときは降る、晴れるときは晴れる。自然の成り行きにまかすしかない。シエナで降られたとき、雨具に不安があったので、たった2ユーロだけど、小さくまとまるビニール製のポンチョを買った。恐らく一回使ったら、ずたずたに破けそうなほど頼りない製品であるが、1回でも使えたらいいと思っている。しかしその後雨具を必要とするような雨に降られていないのだ。
 フィレンツェは昨日徒歩で回った範囲ははずして、ドゥオーモから見てアルノー川の向こう側をチャリユキとともにハンティングしてみた。特筆するほどの収穫はなかったが、ちょっと参考になった写真を何枚かご覧に入れます。
央に並木を持ってくると中央分離帯にもなる。ありそうでなかなかない?

年寄りがゆったりと自転車を漕ぐ姿は悪くない

あとミケランジェロ公園から見たフィレンツェの遠景。観光客のカメラポイントなので誰もがカメラを構えるお約束の場所ですが、そこでこちらも約束を履行してみました。
ドゥオーモを含む街の遠景です

ということで、街並みハンターとしてはあまり成果を残せず、フィレンツェを去ることになりました。今日の目的地はボローニャです。そう、フィレンツェの借りをボローニャで返すのです。その前にもう少し鉄道移動についてお話しします。今までは各駅停車のリージョナルにしか乗ってなかったのですが、今日はインターシティというボローニャまで一駅しか止まらない上級列車です。切符は指定席ですが、自動販売機で席の選定までできます。6号車の112番が指定です。画面上では一番端で隣の席がない一席だけの列だったので、横にチャリユキがおけると思ったのですが、乗り込んでみたら6人掛けのコンパートメント。おやじ、30代の長髪の男、自分の隣がおばちゃん、そして一番窓側に二十歳過ぎのかわいらしい女子が座っている。バックパックは網棚に上げたが、自転車の置き場がない。やむなく通路に立てかける。するとベビーカーに自力で歩けそうな子供を乗せた母親がこれじゃ通れないという目をするから、慌てて通してやる。まあ、あまり乗り降りもなくボローニャに着いたのでこれはこれでよかったのです。しかも途中は結構雨が降ってましたが、ボローニャに着いたときにはあがってました。
  駅頭でチャリユキを組み立てます。そして街中に出てみて、すぐ「なんじゃこれは!」という光景に目をむきます。中心市街地はどこもかしこもポルティコ、ポルティコ、ポルティコ。ボローニャ大学の構内だって、ポルティコ、ポルティコ、ポルティコ。
今夜泊まるホテルのある通りのポルティコ

ポルティコ内部

ボローニャ大学辺りのポルティコ

まずはポルティコ(Portico)とは写真を見てすぐ分かる通り建物が歩道の上にせり出していて、それを柱が支えている。日本語では柱廊ともいわれる。公共の歩道上に私的な建物を建てるのだから上空部分の利用に対して賃借権が発生しているのかどうかはわからないが、傘をささずに歩道が歩けるので、ショッピングには都合がいい。そして上空部は今日泊まるホテルもそうだが、居住スペースなど多様な利用が可能である。
 
 ボローニャのポルティコの総延長は、35キロとか40キロとかいわれてますが、ともかくポルティコが見えないところがないというくらいです。しかも同じポルティコはほとんどないくらい、それぞれが特色を出している点も見逃せません。経済力がある人とそうでない人がつくるポルティコは違うのです。
 あと、蛇足ですが、街の中でへんてこな塔を見ました。二塔並んでいるのですが、一塔は明らかに傾いています。それも最初から傾けて作ったのではないかという節もあります。石積みが明らかに傾いている塔を支えるように積んでいるのです。でも地味な塔なので誰も注目していないのです。本家の塔は全世界から客を集めるだけの力を持っているのに、こちらの塔はいかにも失敗作であることを、人に言わないで貰いたいというような慎ましやかな気持ちで建っているような気がしました。
写真では分かりづらいですが、左の塔が傾いています

<ホンイチの街並み>
 ボローニャのポルティコの街並みの中でどれが一番いいかを選ぶのは難しいのですが、取りあえず選んだ写真です。
高さや色が異なるさまざまなポルチコのある建物が並びました


<今日のホテル>
ボローニャ「Hotel Perla」☆
 ポルティコの上の部屋です。なかはフローリングでダブルベッドが置かれ快適ですが、子供の声がよく聞こえてきます。63ユーロ





2 件のコメント:

  1. 前半戦を無事乗りきった感じでしょうか。お疲れさまです。それにしても日本の地方都市とは異なり、どのまちも個性があって素敵ですね。
    引き続きハンティング楽しんで!!

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  2. 中央分離帯代わりの並木道。日本では日光近くの街道とか、伊勢の街道とかしか思いつきませんよね!

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