2015年6月9日火曜日

ポルトガル・スペイン自転車ぶらり旅 第十四日

 朝、出発に先立ってもう一度Xativaの街をぶらりと走ってみた。昨日は行っていないところにまで足を伸ばしたが、落ち着いた街並みが各所にあった。住んでいる人は昔からこの街に住み続けている人が多く、この静かな街が殊の外お気に入りであろう、などと考えながらあちこち見ていると、女性がひとり叫ぶように怒鳴っている声が聞こえてきてびっくりした。それから十五分くらいの間に別の所で女性同士の言い争いを二度聞いた。嫁と姑なのか、母と娘なのかわからないが、いろいろ住んでいる人にも不満を持っている人も多いのかもしれない。

 Xativaからバレンシアまでスペイン国鉄(renfe)の郊外電車に乗ってみた。一時間に3,4本が四両連結で走っていて、バレンシアまで約1時間で結んでいる。こういうコミュータートレインは初めてであるが、結構利用者も多い。自転車をそのまま乗せることも出来る。ただし専用の置き場があるわけでなく、ドア回りなどに邪魔にならないように置ければいいが、混んでいると気を遣ってしまう。また、改札を入るときと出るときに切符を改札口の脇に入れるやり方は日本のやり方と同じである。


  バレンシアはカラトラバの出身地で、現在自身の事務所を置いている。どんな仕事ぶりなのか興味はあるが、バレンシアにある彼の作品は「芸術科学都市」と「アラミダ橋」である。芸術科学都市は複数の建物や構造物があるが、そのうちカラトラバの作とされているのは「フェリペ王子科学博物館」「ルンブラクレ」「ソフィア王妃芸術宮殿」「レミスフェリック」である。それぞれの写真をご覧あれ。この他、敷地内を通っている道路橋は、セビリアで見たアラミージョ橋と似ているが、決定的に違うのが斜めに傾斜している支柱の先端から支線が鉛直に降りてきていることで、これを付けることをよしとするカラトラバではないと思うので外すつもりだったが、彼の公式HPには掲載されていたのでカラトラバ作とする。敷地の中の空中歩廊などもカラトラバのものだと思う。芸術科学都市でカラトラバづくしを見せられるとやや食傷気味になるが、市内の数キロ離れた場所にあるアラメダ橋を見るとカラトラバらしさ全快でこぎみいい。ムルシアで見た橋と形状が似ているが、こちらの方が規模は大分大きい。もっとも橋といっても下に水は流れていないのだが。
恐竜の骨格のようなフェリペ王子科学博物館

水に浮いているようなレミスフェリック

オペラを催すソフィア王妃芸術宮殿 白壁に点点は剥がれ
カラトラバ作の橋
やっと食べられたムール貝、うまかった
 今晩泊まるホテルは、四周をバレンシア大学に囲まれたホテルで、ガリレオガリレイの名がつくのだが、32ユーロという安さで予約した。朝昼晩メシが学生食堂のスタイルで食べられるのだが、そこに出かけていってたまげた。90%以上が大学生の男女である。そしてトレイをとってそこに皿を取っていくのだが、こういう方式がこちらには圧倒的にわかりやすくて助かる。学生相手なのでトレイに載る飲み物が水だけというのがさみしいが、でも食事でいつも迷える東洋人には安心して食べられた夕食でした。それでもこの食堂がオープンするのが20時半なのだから、こちらの夕食の遅さはイタリアよりも遅いのである。食った後は寝るだけだから太るんだと突っ込みを入れたくても入れられず、21時過ぎのひとりメシに堪えているわけです。

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