バルセロナ二日目。昨日は半日空気ポンプのトラブルでつぶれたため、旧市内をチャリで回っただけでした。今日はどうしようと思って、この街に対してたいした問題意識をもっていないことがわかった。やっぱりサグラダファミリアでしょ。ということで行って見ました。二十四年ぶり(1992年のバルセロナオリンピックの前年なので1991年)ですが、完成度が非常に高くなっていることがよくわかりました。世界一人気がある工事現場は、あと十年以内ぐらいで完成するといわれているが、これが本当のことです。前回来たときには、塔が4本くらい完成していて、地上百メートル近くまで上って高さも実感しましたが、完成まではあと百年は間違いなくかかる。むしろいつ完成するのかがわからないというミステリアス性にゾクゾクしたのですが、これは下手すると生きているうちに竣工式が見られるかもしれない、と思うと普通の建物という感じがしてくるのだ。そして驚くのはこの工事現場に押し寄せる人の数。回りの歩道上は観光客であふれかえっている。渋谷のスクランブル交差点は観光客だけで埋まることはないが、ここは地元の人は近寄らないだろうから、莫大な見学料が集まり、これに寄付を足すと十分工事費としてまかなえるのではないだろうか。ガウディも工事現場の見学料で工事費がまかなえるとは思わなかったろう。(筆者の推測)
周辺の歩道には平日なのに人が溢れるようにいる |
歩道上で正面の写真を撮ったりしている人々 |
クレーンで材料を揚重している |
それと同時に、この観光客の数は、完成後はもっと増えるのであろうか、それとも完成してしまえば厳かな場所として今ほどは客は来ないということはないのか。デベロッパー的な発想でいえば、工事費が工事現場の見学料でまかなえれば、借入金などは不要でこんなに美味しい事業はないということになる。ガウディのような建築家がこれからも出現するのだろうか。
しかし工事現場として見た時には、ここは世界最悪の現場ではなかろうか。何しろ世界中から一年365日毎日数千人がやってくるのである。施工中にたとえば通行人に上から工具を落としてあたったとしたら、世界的なニュースになってしまう。しかも作業エリアや材料などの置き場も限られている。ここの所長や工事主任はノイローゼになってしまうのではないか。しかも全てが一点ものの製作であるから、取り付けが出来ないなどの問題が起きたら作業は数ヶ月の手戻りになる。誰もがこんなところで働くのはゴメンだいいたくなる現場なのである。
現場で感じたことは、この建物が意外なほどボリュームがあり、ほとんど敷地一杯に建物が建っている感じである。もっと敷地が広い方がよかったのではないかと思った。引きの目で建物を見る場所が限られるからである。ちょっと建ぺい率が高すぎではないか。見所はたくさんあり、一周するとストーリーが完成するような多彩な壁面であるから、それをゆったりと味わう空間が周囲に取れるとよかったのではないかと思った。これだけの作品が堪能できるのは歩道上だけということになる。正面の公園は高い木が多すぎて見えない。木はなくさないといけない。
次に訪れたのはサン・パウ病院で、前回は来ていないと思う。ガウディよりも当時は売れていた建築家ドメネクの作品という。これは世界遺産に指定されて、病院としては使われていないようだが、48棟もの建物が集合しており、これを設計したドメネクもたいした奴である。昨日見たカタローニャ音楽堂もドメネクで世界遺産になっている。
病院でもあり派手さはないがレンガ建物の傑作であろう |
並べば入れるのはまだいい |
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