2013年5月29日水曜日

南欧自転車ぶらり旅 第九日

 Massaの朝、雲が低く垂れ込め、高さ300メートル程度の山も中腹まで雲がかかっている。道を通る人で傘をさしている人もいる。さしていないひともいる。雨は降っているのかも知れない。テレビの天気予報は説明は分からないが、イタリア各地の天気がマークで表示されているのでそれで推測するしかない。この辺りのお天気マークは、雲があって左上にお日様が少し出ていて、雲の下からは雨滴がしたたっている。日もでるが、雨も降る、だけど大体は曇り?午後の方が雨確率が高いかも。
 今日のプランを考える。ルッカのホテルに予約を入れているので、最終的にはルッカに到達したい。できればピサによってかの有名な斜塔の生を目にしたい。だけど雨、雨の中65キロも走るのはどうみてもしんどい。やはり鉄道で行くしかないか?
 Massaからルッカまで途中ビアレッジオで乗り換えて約1時間半。

 Massa駅をめざす。そういえば列車まで時間があるのでMassaの町も見ておこう。中心市街地はホテルのある海から駅よりも更に山寄りにある。といっても登りがあるわけでなく、雨は小雨程度だが、レインウェア着用には及ばないだろうと思って走った。あまりはっきりとした特徴がある街並みはない。ただこの辺はイタリアでも有数の大理石の産地らしい。大理石を扱う工場がある。
 
おや歩道のボーダーが大理石ではないですか。さすが産地、贅沢ですね。でもつるつるの面が悲劇を引き起こしたのかどうか分かりませんが、中心地区では折角の大理石なのに滑り止めの目地を入れてるところもありました。
雲が低い。雨は不可避?
大理石の加工場
白いのが大理石


中心地区では大理石を滑らないようにざらざらにしている

 Massa駅の窓口は珍しく7,8人も並んでいるので、自動販売機に挑戦してみました。これが意外なことに窓口よりも遙かに簡単でした。英国旗を押すと、表記が英語に変わります。あとは駅名を入力すると直近の列車の時間が表示されます。そして精算はキャッシュでもカードでもOKで、確定すると立派な切符が印刷されて出てきます。早い簡単、これからは自販機で切符は買います。

 駅で列車を待っているときに前輪タイヤに空気を入れました。この空気入れは渋谷のY’sバイスクルで買ったものですが、重さがたった39グラムしかありません。大抵の携帯ポンプ100グラム以上はあります。それだけなら特別取り上げるほどでないかも知れないのですが、実は空気を入れるときのフィーリングがとってもいいのです。軽いピストン運動で空気は小気味よくはいります。最後の数回は多少抵抗を感じますがそれでも軽い方です。ドイツの会社の製品ですが、今はもうこのタイプは製品カタログに出ていません。

 こちらが待っている列車の時間は11時12分発でした。11時前にイタリア語だけでなく英語でも女性のアナウンスで10分遅れるみたいなことを言ってるのです。時間通りに来なければ更に待てばいいんだと思っておりました。そうしたら11時ちょっと過ぎに列車が入ってきました。さっきのアナウンスは10分遅れるのではなくて、10分早着するということなの。それでは時間通りに来た人は乗り遅れるのかと呆れました。でも乗る人にピサに行くのかと聞いてみたら、その通りだというのでチャリユキを抱えて乗り込みました。
 駅で列車を待っている時には、小雨が降っていたのですが列車が南下するに従って空が明るくなってきます。それに走っている列車から外を見ても、地面や道路が濡れていないのです。乗換駅のビアレッジョで降りました。ルッカ行きには時間があるので、町の中を走り回ってみましたが、ほとんど印象に残らない町でした。この天気ならチャリユキに出番を作れるのではないかとプランの変更を考えました。ビアレッジョからルッカに向かうのと、ピサまで行ってピサの町を見てからルッカに向かう。ピサで降られたらピサから列車でルッカに向かえばいい。

  ビアレッジョからピサをめざします。ずーっと地中海に沿って走ってきたSS1がここでは高速道路のような仕様になっていて、車は100キロぐらいで走ってます。こちらは端の方を走っているのですが、どうも気分がよくないので出口を探して出ました。
SS1だけど片側二車線の高速道路

 ピサまでは一直線の道で、走っていても単調な感じがします。12時過ぎにピサの市内に到着し、取りあえず斜塔でしょ、と世界遺産をめざします。市内に入っていつの間にかドゥオーモのアーチが見えてきて、その奥に傾いているのが見えます。思ったよりもずっと白い。この白さは大理石のせいではないかと思うが、この白さは何百年も維持できるものなのか。敷地の中は世界中からの観光客とその懐を狙う土産屋の列。この斜塔が真っ直ぐ建っていたら、この喧噪はなかったかも知れない。またこの角度で傾いても倒れなかったのはどうしてなのか。倒れる方がずっと自然だと思うのだが。
アーチを通してみる、傾いているのが目立つ
写ってないけど、写真右手に土産物屋がずらり

つまらんことを考えるのはやめて、ドゥオーモの南側にピサ大学医学部と病院が巨大な敷地を占めているのだが、その周りをひとまわり。そのとおりでどうってことなし。しからばメシか。魚スープが7ユーロという黒板を見て、屋外カフェに座る。スープは二人前から注文を受けるという二人前一人で食べると14ユーロですと紙に書いてくれる。ずっとスープが飲みたかったので注文。モノが来るまでサンドウィッチとコーラでつなぐ。出てきたスープは直径25センチくらいのボールに入っている。すごい具だくさんなんだなと思ってよく見ると、パンを薄切りしたのが入っていて、これがスープを吸ってしまうため、折角のスープはちょっとしかない。でも白身の魚、ムール貝、ホタルイカの倍くらいのイカ、エビなどどれも悪くはない。パンまでは食べきれなかったが、本日のメイン料理を食したという感じです。
病院入り口
魚のスープなのに汁がない

 ピサに来る観光客は斜塔を見たあとはどうするのでしょうか。この街は大学があるためか若者が多い。しかし大学観光をするわけにはいかないでしょう。
 腹が一杯になったので、こちらはルッカをめざします。天気も大丈夫のようなので、ミシュラン地図の指示に従って、坂の少ないコースを選んで進みます。相変わらずちょっと回り道して未舗装の道を案内してくれたりします。

 ルッカまで田舎道を走るが、車も少ないしアップダウンも少なくて楽ちんでした。ルッカ到着は15時頃。街並みを見るが特別印象には残らない。
川のそばの未舗装路

ルッカの入口

<ホンイチの街並み>
 ピサからルッカに向かう町のはずれに立派な戸建てが並んだ住宅街がありました。松の並木と戸建ての大邸宅の並びはややステレオタイプではあります。
この写真では家が見えない

<本日のホテル>
 Lucca 「Hotel Stipino」☆☆
 受付で貫禄のある主人が、自転車はあそこにおいて、パスポートを出して、後ついてきてと部屋まで案内してくれた。45ユーロ。





1 件のコメント:

  1. ピサに寄れてよかったね。この魚介スープはうまそうだ。2人前を1人で食べると14ユーロ、2人で食べるとどうなるのか。

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