2013年5月25日土曜日

南欧自転車ぶらり旅 第五日

イタリア入国

ジョルジュ・ムスタキが死去したというニュースを昨晩見た時、大分昔だが、自分にも彼に夢中になっていた時期があったことを思い出した。「孤独(Ma Solitude)」という曲が好きだった。ギリシャ系の移民であったムスタキが異国であるフランスでしかもフランス語で歌ったから意味があったのだが、外国にいるということは言葉の壁と食事の壁との戦いだが、それを克服して一家をなすことは本当にすごいことだと思った。哀悼。

 そして、今日はフランスからイタリアに入ることを決めた。Cagnes sur Merからサンレモまで70キロ位だが、モナコとマントンの間に500メートルくらいの高低差があるところがあり、これは無理だからマントンまで鉄道移動して、マントンはフランス最後の町なので国境はチャリユキに乗って越えたいと思って、朝9時頃出発、10時半くらいにマントンに着く。海岸線に降りて海沿いの道を進む。マントンなんて初めて聞く町だけどリゾート地としても一流だと思った。

マントン駅
海岸通りの景観、マンションがかっこいい
海岸通りから望める旧市街、もうイタリア?


 風は何故か向かい風。思い込みかも知れないが、このあたりは南か西から風は吹くものだと思っていたので意外。ドロップハンドルの下をつかんで風の抵抗を少なくして走る。写真からはわからないが、結構風が冷たい。折りたたみ式のウィンドーブレーカーのベストを着る。下は長袖のジャージである。
 ちょっと大きな料金所のような建物が国境です。

駐車場のようでもある。検問なんてない
国境を背景にパシャリ

 こちらの道路はすぐにトンネルに入るため、引き返して一般道の方にもある検問所を抜けて、それからひたすら登り。相変わらず勾配はきつくないのだが、いつ果てるともない上り坂はテンションを下げてしまう。遠くを見ると萎えるので、ひたすら足元を見て1,2,1,2と声は出さないがかけ声をかけて踏んでいく。
一般道の検問所
こちらの道は標高の高いところで180メートル余、その後もっと低い上り下りを繰り返して、イタリアで国境に一番近い町、バンテミリアに入る。ここからは比較的平坦で両側が商店街のような道が延々と続く。不思議なことに看板も標識も何もかもイタリア語になっている(当たり前なんだけど)たたずまいがそんなに変わらないからかもしれないが、これで人々が話しているのがイタリア語だから、やはりイタリアだと思う。

1階が店舗で上が住居、街並みが形成されている


途中で浜辺から海を見たら見事な青のグラデーション、イタリアンリビエラも魅力的である。
微妙なグラデーションが出なくて残念

 そして今日の目的地サンレモには、結構早い時間に着く。時間があったので街並みハンティングへ。この街は目抜き通りの街並みも素晴らしいが、どちらかというと家の中からイスラム系の言葉が聞こえてくるようなちょっとカスバ(但し店屋はほとんどない)のような路地が階段や坂になっている地区が驚くような街並みができあがっているのだ。ここでお見せできる写真はコンデジのものだが、街を作るのにどんなに道が重要であるかがこれをみると実感できるはずだ。(これをもってホンイチの街並みとします)

サンレモの銀座通り、部分的に完成しているところ
これがホンイチの街並み、道が普通の石畳だったら見向きもしないだろう。これが延々と地区全体に繋がり、最近まで整備されてきているようだ

<今日のホテル>
サンレモ「Hotel Villa Maria」☆☆☆
昨夜サンレモのホテルの空室状況を見ていたら、1万円以下の安いホテルが満室の表示が出ていて、金曜日は混むのかなとかそろそろバカンス客が動き出したのかなどと推測してみたが、よくわからない。そんな中で64.4ユーロという値段を提示していたのがこのホテル。金持ちの邸宅をホテルにしたようなもので、その中でシングルルームの部屋はかつての女中部屋かなんかか。部屋でwifiが使えないなど不便も多く昨日の三つ☆とは大違い。
ホテルの入口
この浴槽は不思議。底が二段になっていて足湯か半身浴ができるかも



2 件のコメント:

  1. チャオ!
    コメントが出遅れ、失礼しました!
    無事に旅が進んでいるようで何よりです。
    連日お天気に恵まれ、最高ですね。とにかく、太陽の光線が違いますねー(^-^)/海の色も。
    今日はイタリア入国とのこと。日本でも自治体が変わるところで、道路から雰囲気までがらっと変わることがよくありますが、どんなものですか?
    そろそろ疲れも出始めるところと思いますが、頑張ってください!
    オフロードの道に突き進むくらいですから、まだまだ大丈夫そうですね。^_^
    では、また現地日記楽しみにしています。

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    1. 寺島君、コメント感謝です。
      こちらへ来てから丸一週間。東京で考えていたのは机上のプラン。現実にやってみると予期せぬことがあり、最初の2,3日は参りました。でも少しずつ慣れが入ってきて、自転車をばらさないで乗せられる鉄道の便利さと体力への負担の軽減もあり、何とかこの流れでいけたらな、と思ってます。それにしてもジロやツールの選手がほぼ一ヶ月レースをしながら走るということがどれほど大変なことか分かりました。

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